配筋のための空洞をもつコンクリートブロックのことで、その種類・品質はJIS A 5406で規定されています。ブロック塀に使われるコンクリートブロックの種類は、一般にB種かC種と呼ばれるものを使います。
また、写真のような形の種類があり、奥が塀の水平端部に使われる隅用ブロック、中央が横筋を入れられるよう溝を付けられた横筋用ブロック、手前が一般の部位の使われる基本ブロックです。
この他にも塀の頂部に使われる笠木ブロック、門柱に使われるブロックなどがあります。また、表面に化粧を施した化粧ブロックがあります。この化粧ブロックは一般にJISに沿ってつくられた同等品として使われています。
基礎は耐久性のある鉄筋コンクリートでつくります。この基礎は塀と一体となって地震でも倒れないように、土の中に35cm以上埋めなければなりません。この埋め込む深さを根入れ深さといい、法律で決まられています。
基礎は地盤の固さ(強さ)により長方体(I形)やL形や逆T形とします。ブロック塀の施工で一番悪い工事とは、基礎がなく、モルタルを打ち込んでこの上に直接ブロックを積み上げる工事をすることです。
鉄筋には塀を倒そうとする横からの力に抵抗する縦筋と、塀の長さ方向を一体とする役目をもつ横筋があります。いずれも、節のある鉄筋(異形鉄筋)で径10mm(呼称:D10)のものを縦方向でブロック2列(塀の高さにより1列)ごと、横方向では3段ごとに入れます。
なお、縦筋は基礎から立ち上げ、塀の高さ分を1本として末端をU形かL形に曲げておきます。鉄筋を途中で継ぐと地震のときに鉄筋が塀から抜けて、倒れることがあり非常に危険です。
ブロックの積み方で芋目地と破れ目地とに分かれます。
芋目地は目地の線が縦横に通った目地(下の参考図)になります。芋目地は目地の部分に補強鉄筋を通して補強するとともに、積みやすく、また破れ目地よりも芋目地の方がかっこよい(美しい)というイメージがあるようです。
破れ目地は横方向の目地が通り、縦方向は横目地によって切れる目地になります。破れ目地は、煉瓦のような組積造の場合に採用する場合が多く、上からの重さを分散し、壁の強さや粘りなどが増す利点があります。
ただし、80cm間隔に入れるたて筋に、1段ごとに積むブロックの中央の穴のなかを通さなければならない難しい作業が増えることになります。
凍害には2つのケースがあります。いずれも気温差の大きい裏日本、北海道などの寒冷地で問題視されることがあります。
一つは、コンクリートの固まり始めるころに、コンクリートの中の水が凍ったり、解けたりの繰り返しでコンクリートの強さが弱くなったり、コンクリートの表面の部分から壊れはじめたりする現象で「初期凍害」といわれ、もう一つは固まったあとのコンクリートの中で、少量の含まれた水が凍ったり、溶けたりを何百回も何千回も繰り返して、コンクリートの状態を徐々に悪くする現象で、これを「凍害」と区別しています。