一般社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会

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ブロック塀大事典

6-1. 新しくブロック塀を作るときは

ブロック塀はプライバシーの確保、防犯や防火など、また町並みの景観に私たちの生活に大いに役立っています。
しかし、地震においてはコンクリートブロック塀が倒壊するという事例もあり、その安全性の確保については、地域社会の共通する願いです。

では、安全なブロック塀とはどういうものでしょう。それは、「何が起きても瞬時に倒れない塀」です。
地震や台風などによる大きな横からの力を受けても、簡単に倒れることなく、人がその場所から避難するための時間や空間が確保される、粘り強いコンクリートブロック塀が安全な塀です。

注意する5つのポイント

ブロック塀の設計の最低条件が建築基準法で定められ、さらに日本建築学会では、より安全性の確保を考慮した「コンクリートブロック塀設計規準」、「ブロック塀施工マニュアル」などで細かく設計・施工について規定されています。
できるだけ設計及び施工管理を建築士やブロック建築技能士またはコンクリートブロック工事士が在籍している事務所に依頼することが安全なブロック塀をつくる基本です。

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鉄筋コンクリート造の基礎を設ける。
基礎はI形でなく、逆T形やL形の形状にすると転倒に対する抵抗力が増します。
基礎は、地中深く根入れをする。
塀の高さにより鉄筋の径と間隔が規定されています。
化粧ブロックの場合は縦方向の鉄筋を60cm以下で配筋します。
縦および横方向の鉄筋は、間隔80cm以下(ブロック2個ごと)で配筋し、頂部には横筋を配置する。
基礎はI形でなく、逆T形やL形の形状にすると転倒に対する抵抗力が増します。
ブロックは、JIS品またはJIS品と同等以上の品質で正しい厚さのものを使う。
ブロックは塀の高さにより12cm、15cmの厚さ以上と規定されています。
控壁は3.4mごとに設ける。
控え壁は塀と同じブロック(空洞を全充填)などでつくり、必ず塀の鉄筋とつなぎます。

ブロック塀をつくっているときの注意するポイント

コンクリートブロック塀の工事では、次のことを施工者に要求してください。また、あなたも施工中に最小限のチェックをしてください。

施工者への要求事項

ブロック塀の図面をもらう
特に
・土の中に隠れてしまう基礎の断面図(大きさ・鉄筋の太さ・本数が書かれています)
・積んだブロックの中に隠れてしまう鉄筋の配筋図
をもらってください。
基礎、配筋の現場写真をもらう
1)の図面どおりに施工したかの証拠写真です。

あなたがする工事中の最小限のチェック事項

基礎の根入れ深さ
地面から基礎の底面までの深さが35cm以上あるかをチェックします。
基礎の配筋状態
たて筋の間隔が正しく塀の高さ程度まで立ち上がり、先端がL形かU形となっているかをチェックします。

ブロック塀と瑕疵について

民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)によりますと、「土地の工作物(ブロック塀)の設置又は保存に瑕疵があり、他人に損害を生じたとき、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害賠償の責任を負う。

ただし、占有者が倒壊防止のために必要な注意をしたときは、所有者がその責任を負わなければならない」と記されており、最終的にはその塀の持ち主が責任を負わなければなりません。

ブロック塀のメンテナンスについて

一般にコンクリートブロック製品は他の建材に比べますと、耐久性に富んだ建材だといわれています。しかしながらこれを使ってのコンクリートブロック塀となりますとその耐用年数は約30年といわれています。

よい設計・施工によるブロック塀も年月が過ぎるにしたがって劣化が進みます。常に外気に接し、風雨にさらされているブロック塀は、降雨・降雪等の気象条件でブロックのなかに水が入ることがあります

この水はブロック表面を白く変色させたり(白華現象)、ブロックのなかで凍ったり、汚れがついたり、さらには鉄筋にさびなどがでて、これによりブロックにひび割れがでるなど、コンクリートブロックの外観や耐久性を損なわせるもとになります。

したがって、これらの現象を防ぐためには、コンクリートブロック内部へ水を浸透させないよう防水対策やメンテナンスが必要です。

あなたが住んでいる建物は適切なメンテナンスをしていると思います。ブロック塀も建物以上にメンテナンスを必要としています。

できれば、施工をした工事店に定期的な点検をお願いすると良いでしょう。