地盤は、塀全体の重量を支える役目をもちます。基礎と一体となった塀を地震等で倒れないようにするには、地盤にあった基礎の形や根入れ深さが必要です。軟弱地盤のところは、大きくしっかりとした基礎をつくりましょう。また、余分に掘ったところを埋め戻すには砂質系の土に砕石などを混ぜて十分に締め固めましょう。
基礎は、鉄筋コンクリートでつくり、上につくるブロックの壁と一つとなって、横からの力に倒れないよう35cm以上地中に入れます。地中に入れる基礎は塀の高さによって35~60cmにします。基礎は地面より5cm上げます。したがって基礎のせい(高さ)は40~65cmとなります。基礎の形は、I型、逆T型、L型で地盤によっては鋼管杭打ち基礎や控下基礎などとします。
縦筋は、壁にかかる横からの力(地震や風などによる)に負けないようにがんばる大切な背骨のようなものです。基礎から壁の上まで1本の鉄筋で立ち上げます。基礎と最下段のブロックとのところで鉄筋を曲げたり、途中でつないだりしないでください。
横筋は、壁の長さ方向を1枚板のようにする役目をするもので、控え壁があるときは塀本体と控え壁をつなぎ、一体とする大切な鉄筋です。横筋は、普通80cm以下の間隔でいれます。
笠木は、塀(壁)のなかのへ雨水等がはいり込むことを防いで、ブロックや鉄筋を保護する大切な役目をもっています。笠木が浮いていたり、落ちることは危険です。笠木はモルタル等で壁に確実に固定します。
控え壁(控柱)は、倒れようとする塀を防ぐ役目を持ちます。
塀の高さが1.2m以上になるときは、塀の長さ3.4m以内ごとに控え壁(控え柱)をつくります。控え壁は基礎にも壁にも鉄筋をいれて、塀本体と一緒につくり一体とします。
控え壁の部分だけを塀の本体より深く基礎を下げて、塀を倒れないようにする方法もあります。
透かしブロックは、縦筋をいれるくぼみのあるブロックを使ってください。透かしブロックは見た目や風通しのためなどというだけで多く使うと、ブロック塀の強さが弱くなります。特に2つ、3つと横につなげて使うと、縦筋が十分に入れられないので注意が必要です。
充てんモルタルは、鉄筋とブロック、ブロックとブロックを一体化させるもので、塀全体を強くて丈夫な1枚の壁とします。また、鉄筋をさびさせない役目ももっています。ブロックの空洞にいれた鉄筋のまわりにはモルタルが十分に詰められないと、ブロック塀の強さが弱くなったり、鉄筋がさびてブロック塀の寿命が短くさせます。またモルタルは、鉄筋がはいっていないブロックのたて目地部分にできる空洞部分にも詰めないと塀が一体化しません。